GMOペパボが運営するECプラットフォーム「カラーミーショップ byGMOペパボ」は、2026年8月24日からChatGPT・Gemini経由の流入と購入を計測できる無料アプリ『カラーミーAI集客アナリティクス』の提供を始める。同社のデータではAI経由のセッション数が前年同期比で6倍以上に伸びており、EC事業者にとってAIを経由する購買動線の可視化が実務課題になっている。
AI経由の流入をチャネル別に計測できる仕組み
『カラーミーAI集客アナリティクス』は、ショップオーナー向けの無料アプリとして提供される。対象はレギュラー、ラージ、プラチナ、プレミアムの各プラン利用者で、フリーやエコノミーなど下位プランは対象外である。主機能の『AI流入レポート』は、ChatGPT・Gemini経由のセッション数、購入数、購入率、日別推移を直近7日・30日・90日の期間で確認できる。既存の『カラーミーアナリティクス』と併用でき、他の流入チャネルと横並びでAI経由の成果を比較できる点が特徴だ。
llms.txtの作成を自動化しAI検索に最適化
もう一つの機能は、生成AIがショップ情報を参照しやすくするためのファイル「llms.txt」の作成・公開支援である。設定フォームにはショップ名、カテゴリ、主な取扱商品、各種ページのURLなどを含む下書きが事前入力されており、ショップオーナーは内容を編集するだけで「https://(ショップドメイン)/llms.txt」に公開できる。これまではllms.txtの作成に専門知識や作業が必要だったが、ノーコードでAI向けの情報提示が可能になる。
EC事業者のAI対応を促す競合環境
生成AIを商品検索や購入の入口として使う消費者行動が広がる中、EC事業者はAI経由の流入を測定し、AIエージェントに自社の商品情報を正しく伝える必要に迫られている。GMOペパボが無料で測定・最適化ツールを提供することで、中小規模のショップを含む事業者のAI対応ハードルが下がる。同社は今後、決済代行事業者との連携や「UCP」「AP2」といったエージェンティックコマース関連規格への対応も進めるとしている。
AIエージェント時代のEC基盤競争が始まる
GMOペパボは「AIエージェントと、もっとおもしろくできる。」を掲げ、ホスティング、EC、ハンドメイドマーケットの各サービスでAIエージェント対応を推進している。今回のアプリは、商品の発見から購入・決済までをAIエージェントが担うエージェンティックコマースを見据えた布石と言える。AI経由のセッションが6倍以上に増加したという同社データは、EC事業者にとってAIチャネルが無視できない規模に達しつつあることを示している。
日本のEC市場で広がるAI対応の実務課題
国内の中小EC事業者は、検索エンジンやSNS広告を主な集客手段としてきたが、生成AIの普及によって情報取得の経路が変化しつつある。ChatGPTやGeminiなどのAIアシスタントが商品推奨や購入判断に関与するようになれば、AIに自社の情報を正確に伝えられているかどうかが売上に直結する。今回の無料アプリは、その実務課題に直接応えるものであり、他社のECプラットフォームや関連サービスにも影響を与える可能性がある。