GMOペイメントサービスとGMOペイメントゲートウェイは2026年8月26日、後払い決済「GMO後払い」で初回購入した利用者を、2回目以降のクレジットカード決済へ自動的に移行させる連携機能の本格提供を始めた。カード情報の事前登録なしで新規顧客を取り込みつつ、継続購入時の支払い手続きを簡略化できるため、定期通販を中心に購入離脱を抑える手段となる。
初回のハードル低下と継続購入の摩擦軽減を同時に狙う
GMO後払いはクレジットカード情報の入力・登録が不要なため、決済手段への心理的な抵抗を下げ、初回購入のハードルを下げる効果が期待されてきた。一方で、継続購入時には利用者が都度払込手続きを行う必要があり、この手間が定期購入の継続率を下げる一因となっていた。今回の連携は、初回は後払い、2回目以降は登録済みのクレジットカード決済へ移行させることで、この相反する課題を一つの導線で解決する設計である。利用者は請求書のQRコードからカード情報を登録でき、次回以降は再入力なしで支払いが完了する。
決済基盤の連携で手数料と運用フローに変化
カード決済へ移行した後の取引は、GMO後払いではなく、EC事業者が契約するクレジットカード決済として処理される。このため継続購入時には後払いの決済手数料が発生せず、クレジットカード決済の料率が適用される。対象となるのはGMOペイメントゲートウェイのPGマルチペイメントサービスと、SMBC GMO PAYMENTのSMBCマルチペイメントサービスのクレジットカード決済である。既存のカード決済環境を活用してAPI接続を追加する形で導入できるため、加盟店は新たな運用フローを一から構築する必要がなく、管理も同じ基盤で一元化できる。
定期通販から広がる継続率改善の選択肢
この連携はすでに定期通販事業者を含む複数のEC事業者で先行稼働しており、安定した提供体制を構築したことから本格提供に至った。定期購入型のサービスは、初回購入時の障壁の低さと、継続時の手続きの簡便さの両方が収益に直結するため、決済導線の設計は事業継続の要となる。GMO-PSは導入後の運用支援を通じて、継続購入時の払込手続きが課題となっているケースを把握しており、今回の連携はその対応策として位置づけられる。対象カード決済の加盟店であれば、既存システムを維持したまま比較的軽量に導入できる点も、利用拡大の要因となる可能性がある。
日本の決済市場で進む後払いとカードの役割分担
国内のEC決済では、後払いやBNPLが新規顧客の取り込み手段として定着する一方、定期購入や継続利用の領域ではクレジットカードの利便性が依然として強い。今回の連携は、後払いを単独の決済手段としてではなく、カード決済へつなぐ導入経路として位置づける動きである。GMO-PSはGMO-PGの連結会社であり、グループ内の決済基盤を組み合わせることで、決済手段の切り替えを手数料体系や運用の変更を伴わずに実現した。日本では後払いの利用者層にカード利用への抵抗感を持つ層が一定数存在するとされており、こうした層を段階的にカード決済へ移行させる仕組みは、EC事業者にとって顧客生涯価値の改善につながる選択肢となる。