HEROZ株式会社は、2026年9月に開催される東京ゲームショウ2026への出展を発表した。今回はゲームAIの開発事例と、ゲーム業界企業の業務を支援するサービス「AI Project Supporters」を紹介する。将棋AIを起源とする同社が、ゲーム制作現場のどの課題にAI活用の糸口を示すのかが焦点となる。
出展内容は開発事例と業務支援の二軸
HEROZが今回示すのは、大きく二つの内容である。一つは、これまで多くの大手ゲームメーカーと協業してきたゲームAIの開発事例だ。もう一つは、AIを活用してゲーム業界企業の業務やプロジェクトを支援するサービス「AI Project Supporters」である。出展位置はAIテクノロジーパビリオンのビジネスソリューションコーナー内、小間番号09-W93とされ、ゲームファン向けの一般公開日だけでなく、ビジネスデイから公開される点が特徴だ。
ゲーム制作の非開発工程に及ぶAI活用
HEROZの発表で注目すべきは、ゲームAIそのものの開発事例に加えて、業務支援サービスを並置している点である。ゲーム産業では、企画、制作進行、品質管理、マーケティングなど、開発以外の工程にも多大な工数が割かれる。同社が「AI Project Supporters」として打ち出す内容の詳細は現時点では明らかにされていないが、生成AI SaaS「HEROZ ASK」の開発実績を持つ企業が、ゲーム業界の業務プロセスにAIを適用する文脈を示したと捉えられる。
AIベンダーとゲーム産業の接点が変わる
ゲーム産業におけるAI活用は、キャラクターの挙動制御や難易度調整といったゲーム内技術に留まらない。制作パイプラインの効率化や、ユーザーサポート、ローカライズ管理など、スタジオ運営の広い領域に生成AIの適用余地が生まれている。HEROZの出展は、AI技術を持つ企業がゲームメーカーに対して、開発支援だけでなく事業運営の側面からも接触を強める動きの一つと見ることができる。
今後の論点は提携実績の具体性
現時点で、HEROZが「多くの大手ゲームメーカーと協業実績のある」とする具体的な企業名やプロジェクト名は示されていない。TGS2026の会場で、どのゲームタイトルや工程にAIが使われたのか、導入によりどのような効果が得られたのかが示されるかが、同社のサービス価値を評価する上での分岐点となる。ゲーム業界の開発現場が、AIベンダーの提案をどの程度実務に取り込めるかを見る材料となるだろう。