HEROZ株式会社の代表取締役CRO髙橋知裕氏が、金沢シーサイドFMの番組「社長!あなたの会社教えてください」に出演した。将棋AIの研究から発展した同社が、生成AI「HEROZ ASK」などを手がける中で地域密着型メディアに登場したことは、AI産業の伝え方と市場の裾野拡大を考える上で興味深い事例となる。

金沢シーサイドFMで語られたHEROZの姿

HEROZは代表取締役CROの髙橋知裕氏が、金沢シーサイドFMの番組「社長!あなたの会社教えてください」に出演したことを公式発表した。番組はナビゲーターの神村氏が注目企業の社長を招き、会社の魅力や取り組みに迫る内容だ。プレスリリースでは出演の事実と同社の概要が伝えられているが、番組内での具体的な発言内容、放送日時、出演の経緯は現時点では明らかにされていない。同社の発表はラジオ出演という出来事そのものを伝えるものであり、経営層が地域コミュニティ向けの対話チャネルを活用し始めたことを示している。

将棋AIから生成AIまでの変遷と今回の接点

HEROZは将棋AIの研究から生まれた独自技術を基盤に、ディープラーニングなどの機械学習研究、生成AIのSaaS型サービス「HEROZ ASK」の開発・提供を行っている。設立は2009年で、東京都港区に本社を置く。同社の技術はエンターテインメントからビジネス領域へと応用範囲を広げてきた。将棋AIという特定領域で高度な知的技術を磨き、それを汎用的なビジネス課題へ展開する同社の歩みは、ニッチな研究開発が産業用AIへ接続される構造の一例である。金沢シーサイドFMへの出演は、一般生活者や地域の中小企業経営者に対し、こうした技術の実用性を直接語る機会として機能する可能性がある。

地域FM出演が映すAI産業の普及課題

HEROZはプレスリリースで「各産業にパラダイムシフトを起こし、新しい未来を創る」と宣言している。その実現には、AIサービスを提供する企業側と、それを業務や生活に取り入れる側との間の情報格差を埋める必要がある。生成AIの活用が企業の経営課題となる中、地域FMという生活者や地元企業に密着したメディアへの社長出演は、AI企業の情報発信が専門メディアや投資家向けIRにとどまらず、より広い層へ拡大している兆候と捉えられる。AIサービスの導入判断を担う経営者層が、カジュアルな対話を通じて技術を身近に感じられる機会の一つとなる。

事業開発責任者の露出と今後の着目点

出演した髙橋氏はCRO(Chief Revenue Officer)、つまり収益責任を担う役員である。CEO(林隆弘氏)ではなくCROが前面に出たことは、同社が市場開拓や売上拡大をより重視する段階に入ったことを示唆する可能性がある。ただし、この出演が単発的な広報活動なのか、継続的な地域戦略の一環なのかは、今回の一次情報だけでは判断できない。今後は「HEROZ ASK」をはじめとしたサービスの実際の導入事例や、顧客基盤がどの地域・業種に広がっているか、そしてこうしたメディア露出が受注や認知獲得にどう結びつくのかを追うことが、同社の成長戦略を読み解く鍵となる。