GMOインターネットグループのGMO TECHは2026年8月3日、店舗・地域事業者向けのAI検索コンサルティングサービス「Local GEO Dash! byGMO」を提供開始した。生成AIが情報収集の入口として台頭する中、これまで大企業中心だったAI検索対策を中小規模の店舗でも取り組める形に落とし込んだ点で、国内の検索マーケティング市場に新たな選択肢を提示する。

企業向けGEOの知見を店舗特化に再設計

GMO TECHは約20年のSEO支援実績と、企業サイト向けAI検索対策サービス「GEO Dash! byGMO」で培ったノウハウを基盤に、今回の新サービスを開発した。既存の「GEO Dash! byGMO」がWebサイト全体を対象とするオーダーメイド型であるのに対し、「Local GEO Dash! byGMO」は対象を店舗・地域事業者に絞り、Googleビジネスプロフィールを中心とした地域情報の整備と、AIが参照しやすいWebサイト構造・コンテンツの構築に施策を厳選している。これにより、個人事業主や中小規模店舗でも導入しやすい料金・体制での提供を意図している。

検索マーケティングの重心がAI回答へ移行

プレスリリースは、GoogleのAI Overviewsの月間ユーザー数が20億人を突破したとするAlphabetの2025年第2四半期決算説明会のデータを引用し、人々の情報収集行動が従来の検索結果閲覧からAIの要約回答の直接参照へ変化していると指摘する。この変化は、企業や店舗にとって「検索順位」だけでなく「AIの回答内でどう引用・紹介されるか」が集客機会として意味を持つことを示しており、検索マーケティングの評価軸そのものが複線化していることを浮き彫りにする。

AIごとに異なる引用ロジックへの対応が焦点

生成AIはモデルごとに参照する情報源や評価ロジックが異なるため、ChatGPTとGeminiでは表示・引用される店舗や事業者が変化し得る。Local GEO Dash! byGMOは各AIの特性を踏まえた情報設計やコンテンツ改善を支援するとしている。また、GMO TECHは独自のアルゴリズム研究室を設置し、検索アルゴリズムとAI検索の動向を継続的に分析している体制を強調している。業種や商圏に応じた施策提案と、AI検索環境の変化への継続的な対応を組み込んでいる点が特徴である。

検索マーケティング市場のレイヤー再編を促す

今回のサービス体系整理により、GMO TECHは企業向けの「GEO Dash! byGMO」と店舗・地域事業者向けの「Local GEO Dash! byGMO」を並立させ、SEO(SEO Dash!)、MEO(MEO Dash!)、GEOを一つのDash!ブランドで統合した。これは、検索マーケティングを担う事業者が生成AI時代の需要変化に対応し、顧客セグメントごとにサービスを細分化している動きの一例と読める。AI回答が検索行動に浸透するほど、こうしたレイヤー構造の再編は同業他社にも波及する可能性がある。

中小事業者のAI対応コストに与える含意

生成AIによる検索・回答環境の変化は、地域密着型の店舗や個人事業主にとっては対応が難しい領域だった。Webサイト全体のオーダーメイド最適化は費用・体制面で負担が大きく、優先度を下げざるを得なかった事業者も少なくない。Local GEO Dash! byGMOは、Googleビジネスプロフィールを軸とした必要な施策だけを選別して提供する設計としている。これにより、AI検索対策が大企業の専管領域から、小規模事業者でも検討可能な選択肢へと移行するかどうかが、今後の市場浸透を左右する論点となる。