中国AI企業DeepSeekが最大1000億円調達へ、わずか6週間で評価額4倍の新興企業も登場
中国発の生成AIスタートアップDeepSeekが、過去最大となる最大73億5000万ドル(約1000億円)の資金調達ラウンドを計画していることが明らかになった。関係者への取材として海外メディアが報じた。同時期に、米国では元OpenAI研究員が創業したCore Automationが設立わずか6週間で評価額40億ドルへの急騰を見せており、AI分野への巨額マネーの流入が衰える気配を見せていない。
DeepSeek調達額は中国AI企業で過去最大の見込み
今回DeepSeekが計画する調達ラウンドの規模は最大73億5000万ドルに達する見通しである。実現すれば中国のAI企業による資金調達額として過去最大となる。同社は中国市場に加え、東南アジアや中東など海外展開を加速させる方針で、調達した資金は研究開発体制の増強とグローバル向けインフラ投資に振り向けるとみられる。
DeepSeekは来たる6月に次世代基盤モデル「DeepSeek V4.1」を発表する予定だ。前世代モデルとの比較では、推論能力の大幅な向上と多言語対応の強化が図られており、特に日本語を含むアジア言語でのパフォーマンス改善がアナリスト筋から指摘されている。低コストで高性能なモデルとして国際的に注目を集めてきた同社だけに、今回のアップデートは日本企業の生成AI活用戦略にも少なからぬ影響を与える可能性がある。
Core Automationが創業6週間で評価額40億ドルに急騰
米国市場では、OpenAIの元研究員であるJerry Tworek氏が創業したCore Automationが異例の急成長を遂げている。同社はわずか6週間前に設立されたばかりだが、直近の資金調達ラウンドで評価額40億ドルを目標に掲げていることがベンチャーキャピタル関係者の話で明らかになった。前回の評価額から4倍への跳ね上がりとなる計算だ。
Core Automationは特定の業務プロセスに特化した自律型AIエージェントの開発を手掛けている。具体的には、ソフトウェア開発やサプライチェーン管理、金融取引の自動化といった領域で、人間の判断を必要としない高精度な自動意思決定システムの商用化を目指す。Tworek氏はOpenAI在籍時に大規模言語モデルの安全性研究に携わっており、その技術的知見を強みとして投資家の高い関心を集めている状況だ。
AI投資は加熱状態が持続、機関投資家の資金シフト鮮明に
DeepSeekとCore Automationの事例が示すように、世界的なAI投資の勢いは2026年に入っても衰える兆しがない。市場調査会社PitchBookの集計では、AI関連スタートアップへのベンチャー投資額は前年同期比で約35パーセント増加しており、大型調達の連鎖が続く構図である。
特筆すべきは、従来のベンチャーキャピタルに加え、年金基金や政府系ファンド、大手機関投資家がAI特化型ファンドへ資金を積極的に振り分けている点だ。株式市場全体の変動が大きい中でも、AIは長期的な収益成長が期待できる数少ない分野と見なされている。一部のアナリストは「生成AIバブル」への警戒感を口にするが、実際の資金流入はその懸念をよそに加速している。
日本企業は調達力格差への対応が課題に
AIスタートアップへの巨額投資が常態化する海外市場と比較し、日本勢の資金調達力には依然として大きな開きがある。国内生成AI企業の調達額は数十億円規模にとどまるケースが多く、DeepSeekの1000億円超やCore Automationの急成長と比べると資金面でのスケール感に課題が残る。
もっとも、日本企業にとっては調達競争で伍するよりも、これら先進モデルやAIエージェントをいかに自社サービスに組み込み、業務効率化や新規事業創出につなげるかが現実的な争点となる。DeepSeek V4.1の日本語対応強化が報じられていることもあり、国内における生成AI活用の選択肢は着実に広がっている。投資家と事業会社の双方が、この資金流入局面をどう自社の競争力に転換するかが問われている。