サイバーエージェントは新卒採用向けに、AI事業本部を含む社内施設を紹介するオフィスツアー動画を公開した。本社オフィスから「極AIお台場スタジオ」、スポーツ施設までを一体的に見せる内容で、AIを軸とした事業環境を採用市場に提示する狙いが読み取れる。
AI事業本部が渋谷スクランブルスクエアに所在
サイバーエージェントが公開した動画では、渋谷スクランブルスクエアの19階から23階にインターネット広告事業本部とともにAI事業本部が入居していることが示された。広告領域を担う社員が働く空間として紹介されており、同社のAI人材が広告事業と地理的に近い場所に集約されていることが分かる。会議室からの眺望やフリースペース、集中作業用の個人スペース、リモートボックス、マッサージルームなどが設置されている。AI事業の担当者や従業員数、オフィス内での具体的な業務内容については、この動画からは明らかにされていない。
極AIお台場スタジオが示す制作現場の技術投資
2023年9月に設立されたとされる極AIお台場スタジオは、広告用動画、SNSコンテンツ、ミュージックビデオ、番組収録などで3年間に5000本以上の動画制作実績を持つという。スタジオ内には3Dスキャンや4Dスキャンが可能なスキャンエリアが整備されている。この設備投資は、同社がAI技術を単なる業務効率化ではなく、コンテンツ制作の表現力拡張に用いていることを示す。ただし、具体的な導入AIモデル、使用GPU、クラウド環境、外注との分担など技術スタックの詳細は今回の一次情報には記載がない。
採用広報としての施設公開が持つ競争上の意味
新卒採用向けにオフィス、スタジオ、スポーツクラブハウスを連続して見せる構成は、待遇や福利厚生の紹介を超え、自社の事業ポートフォリオを体感させる設計になっている。特にAI事業本部と極AIスタジオを同じツアー内に含めたことは、AI関連人材に対して研究開発だけでなく実制作への適用機会がある企業であると訴求する内容だ。国内のAI人材獲得競争が激しくなる中、オフィス環境の質や制作実績の見える化は、報酬水準以外の差別化要素として機能する可能性がある。
スポーツ事業との併設が映すグループ構造
ツアーにはFC町田ゼルビアのクラブハウスも含まれており、トレーニングジムや専用食堂が紹介された。サイバーエージェントがIT企業としての枠を超えてスポーツビジネスに参入していることを示す内容だが、これとAI事業の直接的な関連性は今回の情報では説明されていない。むしろ、同社が複数の非連続な事業領域を並行して抱える構造そのものが、採用対象者に多様なキャリアパスを提示する材料になっている。AIとスポーツ、コンテンツの間でデータ活用やファンエンゲージメント施策がどう連携するかは今後の開示に委ねられる。