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HBMがAI半導体の性能を左右する理由

High Bandwidth Memory

AI GPUに近接して使われる高速メモリ。大規模モデルの学習・推論性能とGPU供給網を左右する。

AIインフラ 難易度: 上級 最終更新: 2026-07-18 読了目安: 約6分

別名・表記ゆれ: high-bandwidth-memory

HBM(High Bandwidth Memory、高帯域幅メモリ)は、AI向けGPUのすぐそばに積み重ねて配置される、特別に高速なメモリです。GPUがどれだけ速く計算できても、計算に使うデータを十分な速さで供給できなければ性能を発揮できないため、HBMはAI半導体の実効性能を左右する重要な部品になっています。

通常メモリとの違い

パソコン向けメモリとHBMの違い
項目一般的なDDR/GDDRメモリHBM
配置マザーボード上に基板を介して接続GPUと同じパッケージ内に積層して配置
接続幅数十本程度の配線1個あたり1,000本を超える配線(広いバス幅)
帯域幅比較的低い非常に高い(GPU1個あたりTB/s級)
コスト・製造難易度比較的安価で量産しやすい高コストで、パッケージング工程が複雑

GPUの近くに積層される構造

HBMは、複数のDRAMダイ(半導体チップ)を垂直に積み重ね、TSV(シリコン貫通電極)と呼ばれる縦方向の配線で貫通させて接続する構造を取ります。これをGPUダイと同じシリコンインターポーザ(土台となる基板)の上に並べて配置することで、配線を極端に短くし、高い帯域幅を実現しています。

HBMの積層構造(模式図)
  1. DRAMダイ(複数層を積層)

    データを記憶する層。TSVで縦方向に貫通接続される

  2. ベースダイ

    積層したDRAMとGPUをつなぐ制御回路

  3. シリコンインターポーザ

    GPUダイとHBMダイを横に並べて載せる土台

  4. GPUパッケージ

    GPU本体とHBMが同一パッケージ内に収まる

積層と近接配置により配線距離を短縮し、消費電力あたりの帯域幅を高めている。

帯域幅が重要な理由

供給網

HBMがGPUに搭載されるまでの供給網
  1. 01DRAMメーカー

    SK hynix・Samsung・MicronがHBMダイを製造する

  2. 02先端パッケージング

    TSMCなどのファウンドリがGPUダイとHBMを同一パッケージに統合する

  3. 03GPUベンダー

    NVIDIAやAMDが完成したGPUモジュールを製品化する

  4. 04データセンター

    クラウド事業者や企業がGPUサーバーとして導入する

HBMの供給量そのものがボトルネックになりやすく、GPUの生産台数を左右する要因の一つになっている。

GPU性能との関係

よくある誤解

GPUの性能は、コア数や動作周波数だけで決まる

実際には

実際には、HBMの容量と帯域幅が不足していると、コア数がどれだけ多くても計算がメモリ待ちで止まってしまい、 カタログ上の理論性能を発揮できません。大規模言語モデルのように扱うデータ量が大きい処理ほど、 GPUの世代交代における性能向上は、コアの進化と同じくらいHBMの進化に支えられています。

よくある質問

HBMを増やせばAIモデルはいくらでも大きくできますか?

メモリ容量だけの問題ではありません。HBMの容量・帯域幅に加えて、GPU間ネットワークや電力・冷却など他のボトルネックも同時に解消する必要があります。またHBMは製造・パッケージングの難易度が高く、供給量そのものが制約になることもあります。

HBMはどのメーカーが作っていますか?

2026年時点で、SK hynix・Samsung・Micronの3社がHBMの主要な供給元です。GPUメーカーはこれらのメーカーからHBMを調達し、TSMCなどのファウンドリでGPUダイと一体にパッケージングします。

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